町田kkkk

可能性の奴隷

首吊り台から

妻に内緒で同僚と酒を飲んで家に帰る

帰り道、気温は狂っていて、もし気温が俺の高校の同級生だったのなら、怖すぎて絶対に近づかない

そんな狂気と加齢から産み落とされた不愉快な汗をシャワーで流したのち

ほろ酔い気分でなんとなく炭酸水を飲みながら、一息ついていると、俺の中のパンクソウマがブルーハーツが聴きたいと言い出した

ので、1000のバイオリンをYouTubeで聴く

流れてくる映像はもう100回は見たヒロトが緑のジャケットを着ているやつで、そしてそのイントロはもう1000回は聴いたやつで、

だからまあ、一回聴けば普通に良い曲だなーみたいな感じに自分の気持ちが収束して、俺の中のリトルソウマは満足するのかなと思いきや、

待って!この曲はやばくない!めっちゃ良い曲なんやけど!みたいな感銘を、開始0:29くらいから受けはじめ、落ち着き始めた酔いが加速し始める

30年前から聴いている曲にそんな衝撃を受ける

本当にこの曲はいつまでも色褪せることのない素晴らしい曲だな、そんな今日だな

1000のバイオリンが発表されたのは1993年なんだってね

それは俺が9歳だった時だった

俺がブルーハーツを好きになったのは、10歳の時に従兄弟が車でかけたTRAIN-TRAINってアルバムがきっかけなんだけど、その頃にはブルーハーツは解散していた

当時、深夜のTVで「さよならブルーハーツ」というプログラムか放送されていたことは今でも覚えているし、小学生の頃、それを録画したビデオを狂ったほど見返していた

あと一年早く好きになっていたなら、リアムタイムで1000のバイオリンのCDを買って、その素晴らしさを最速でミニコンボで感じられていたんだなと思うと、ものすごく残念だ

いくら1000のバイオリンを好きだったとしても、結局俺はそのCDを発売日に買って聴いていない側でしかない

もっというと、ブルーハーツをライブを一度も見たことがない側でしかない

結構それが残念だな、と酔いながら思う

別にいいんだけどね

人が産み落としたものに、どれだけ早く食いついたかどうかで優越感を抱くのは建設的じゃないから

まあそんな感じ

ふと、昔あの娘が「これいいよ」とおすすめしてくれたアニメ、ローリングガールズかカヴァーした月の爆撃機のことを思い出す