「僕らさ、エネルギーを僕らが使いやすいように変換して、生命を維持したり、快適な生活を送ったりしてる訳だけど、結局、そのエネルギーの元を辿るとどこから発生してるわけ?無?」
週一で飲みに行く後輩のような友達のような人間に聞く
地球科学かなんかの、それ系のよく分からない分野を大学で修めた彼は
「波動なんですよ、波動」と真顔で言う
なんだよ、それ。ストⅡかよ、と俺は思うけれど、めっちゃ語ってくるから、黙って聞いている
「僕等の答えはゴールを旋回し、大手振り、出発地点に戻る。」
昔聴いた曲の歌詞を思い出しながら
彼の、ドラゴンボールもスラムダンクも読んだことがないところが好きだ
絶対読んだ方がいいよ、めっちゃ面白いから、といくら言っても絶対に読まないところが好きだ
そんなやつに出会うことは二度とない気がして
居酒屋の騒音の中に埋もれつつも、微かに頭の中で坂本美雨の「タベタイNO!」が流れている
心から美雨って名前のネーミングセンスは天才的だと思う
ハイボールを飲みながら、会話に相槌を打っている最中、子供が過剰にお菓子を欲しがることを諫めた時に「たべたいのー!」と言っていたことを思い出して、ニヤつく。愛おしくて仕方ない
深夜に公園に居ても、苦痛じゃない季節
の訪れ
あと、どれくらいこの季節が続くのだろうか
そう考えたら、もう既に悲しくなってしまうけれど、今はそんな思い振り切って、外で飲む酒の味と新緑の鼻につく匂いを堪能しようではないか
可能なことは全て許されている、はずだよね、御父よ
酔いが回り、「鉄棒で二人とも逆上がりできたら、いい加減もう帰ろう」と提案したら、友人は「いいっすよ!」とか言ってノリノリだったのに、全然できてなくて笑った
子供みたいな足のバタつき具合で可愛かった
俺の悩みなんて、幼稚園から配信される園での子供達の生活ぶりを伝える写真付きブログに、うちの子供が一度も映っていないことくらい
すごく健康的だよね
僕らの大切なエネルギーは、一体どこで発生しているのだろう
分かったら教えてほしい
あと、お水ください