町田kkkk

可能性の奴隷

僕らの限界は僕らが望んだレベルより遥かに低く救いようがない

今日は少しだけ暖かくて、外にいても心地よかった。

娘はセブンアンドアイホールディングス系列のショッピングモールで買い与えたアイスクリーム型のプラスチック玩具を気に入ってくれたようで、車の中で眠ってしまったにも関わらず、それを強く握って離さなかった。

そんな感じが堪らなく愛おしかったりする。

無限の可能性を感じるよ、君には。

俺の愛に君らは気づかなくていい、

俺が勝手にそう思っているだけだから。

子供と手を繋ぎ歩いていると、幼少のころ、母親にソリに乗せられて、近所のスーパーに買い物に行ったことを思い出す。あの頃、不安という感覚すら持っていなかった。世界というものが、全力で自分に優しいだろうということを信じて疑う余地すらなかった。

今日は随分と雪が溶けていくね。その割に夜中に除雪車の音が聴こえる。俺はそれを、雪が降っていないうちに溜まった雪を搬出する所為だって知っている。でもきっと君らには不思議なんだろうね。いつか教えてあげよう。

俺が昔ソリの上で抱いた、目の前の景色や太陽の移動によって変化する光の模様に対して抱いた感動を、全て知識がない故の未熟な感情であって、大人にとっては陳腐で価値のないものと断定するのは容易いけれど、今も記憶に定着しているということは、30年間はデータが消失しないSSDくらいの価値はあるのではないだろうか。せめてこの記憶にそれくらいの値段はつけてほしい。

そんなことを思う。なるべく思い出に残るようにとか、なるべく経験値になるようにとかと思って、子供を初めての場所に連れていった時に。そんな時に思ってしまう。全然そんなことなくても構わないけれど、あわよくば君がいつか思い出してくれるかなって。思ってしまう。俺の脳にこびりついて離れないあの日の記憶のように。

 

今日はどんな日だった?

きっともう覚えてない

だけどきっと楽しかっただろう

沢山笑ってたから

そんな感触を抱いて眠ってくれていたなら嬉しい

暖かい毛布に包まって、安心してね

明日もきっとこんな日だよ

沢山笑って沢山食べてね