町田kkkk

可能性の奴隷

その鮮やかさをどうやって(ry

待ち合わせはどこにしようかな
なんて思っていたから
到着出口のベンチに座っていてびっくりした
4年半前と全然変わってなくて相変わらず美人だから
すぐに分かるよ
東京はまだ5月だっていうのにとても暑くて
「二日間晴れるみたい」というあの娘が教えてくれたニュースは
嬉しいけれど
肌から滲み出る汗がひどく恥ずかしかった


羽田空港国際線ターミナルで美味しいうどんを食べた
量にに対して器が大きすぎて笑ってしまった
すごく美味しかったのに名前が全く思い出せないのがもどかしい
国際線の建物は
子供の頃に思い描いていたような近未来っぽさで
こんなところで働けたらって今の状況だから思う
でもロイズの広告がやたらと垂れ下がっているのは
毎日だと視界に入るだけで胸焼けしそうでいただけないな
あの娘にものすごく辛いガムをあげたら
やっぱり辛そうにしててそれがものすごく可愛いし
大丈夫だよって取り繕ってくれる優しさも無敵だった


モノレールから見える景色は
何十回見ようと楽しい
更地で何台もの重機がクレーンを空に向けて伸ばしてる
スーツを着て歩いている人
近接したビルのひっそりとしたオフィス
川で魚が跳ねていた
眠くてうとうとしては停車の振動で起きてしまっていたから
快速にすればもう少しだけ眠れただろうに失敗したかなと考えてしまう
悲しいことに僕にそんな気遣いが出来た試しなど一度もないのだけれど


イ・ブル展はとても素晴らしくて
いつかあの一人カラオケマシーンを手に入れてやろうと思った
あのタコみたいな衣装で雑踏を闊歩してやろうと思った
それと、あの合わせ鏡の原理が未だによく分からない
嘔吐してる犬の向こう側の景色を僕は愛しているよ
共有できない感情なんてただ溢れ返り重くなっていくばかりで
捨てることもできず無駄だゴミだ無様だ


食品サンプルやお菓子型のアクセサリーを
丁寧に見比べるその仕草が本当に楽しそうで
それを眺めているだけでも心地よかったし
1階で試食したチーズケーキは
やばいもの入ってるんじゃないかってくらい美味しい
半狂乱のお祭りみたいな人ごみも
ユニクロで買った電気グルーヴのTシャツも
チョコソフトクリームも
細切れの映像作品みたい
太陽を凝視しすぎて目の録画機能がなくなった事が恨めしい
僕は神様と仲良くなろうとして呼吸の仕方を忘れただけなんです


ポップコーンにブラックペッパーを混ぜて
あんなに美味しくなるとは思ってなかったし
エスペラント語の電光掲示板メッセージへの関心は
52階の肉の形でかき消えていく
買ったサングラスはきっと一生掛けることはないだろうね
テーマパークの出口で
子供が手を離して飛んでいってしまったあの風船は
一体時速何キロで一体高度何メーターまで行ったのだろう
真っ青な空に消えていく黄色い風船が綺麗だったなんて思ったら
不謹慎かな
酷い人間かな
心無い大人かな
だけどそう思わずにはいられない
だけど
ああ
本当に
心奪われずにはいられない
橋の上で佇んでいる姿が目に焼きついて離れない