「予約できるスープカレー屋を探す」と書かれたメモ
書いたのは俺
10年振りに会う約束の人達と会うのが楽しみ
なぜか酒じゃなくてスープカレーを飲む訳だけど
ザバースデイの「なぜか今日は」を聴くたびに
ハワイのホテルから眺めたやたらキラキラした景色を思い出す
その理由はハワイで初めて「なぜか今日は」を聴いたからだった
大体、答えと呼ばれるものは思いの外単純で、真相と俺の思考はいつも犬みたいに分かりやすい
あんな立派なホテルに泊まることなんて、もう二度とないんだろう
俺が愛用している金融サービスと昔飼っていた犬の名前が同じで、
そんなことに運命を感じて、ときめいていて、可愛かった君を思い出す
毎朝俺の部屋のドアをガリガリ叩いては、早朝に起こされて苛つく俺にベッドに招き入れられ、
そして、そんな不機嫌な俺の様子などお構いなしに幸せそうに布団の上で丸くなっていたよね
本当に愛おしかった
俺は君のために、この金融サービスで何処で使えるかも分からない謎のポイントを貯め続けるよ、灰にもなれなかった君のために
朝起きたら、ディズニーランドに行きたくなったから、ホテルミラコスタの予約をする
先月は寝起きで冷蔵庫が欲しくなって、買ったばかりなのに
スマホから接続するディズニーランドのweb予約ページの、あの接続の遅さは狂気的だよね
狂気の演出か企業の怠慢のどっちかにしか思えない
朝食を食べながら30分ほど待ったのち、ポチポチ個人情報と己の欲求をwebページの入力ボックスに記入したところ、飛行機代、ホテル代、チケット代を全て合わせて最終的に狂気的な値段になっていた
若干引いたよね、需要と供給の交叉点がこの値段なの!?と衝撃的だった
とはいえ、まあ金なんて別にどうだって良くて、けれどせっかくだからあなたたちの記憶に残ってほしい
小さいからあなたたちは。記憶を維持しづらいのかもしれないけれど、願わくば思い出になってほしい
自分が愛されているってこと、知ってほしい
長女の記憶くらいになら、もしかして残るかな
ミラコスタに泊まるなんて、きっとこれか最後だから
知らんけど、なんとなく
一回行ったからとかそんな理由で
一生にもう行くことがない場所が、歳とともに増えていっている気がする
それは悲しいような、別に悲しくもないような
あそこのラーメンは一回食べたからもういっか、みたいな感じで
悲しいような、合理的なような
だから歳を食うのは嫌だ
俺ももうすぐ40歳だよ、あと2ヶ月くらいで
本当に行きたいのは、思い出の中の延岡とか上大岡とかそんなところだけ
本当にもう二度と行くことはない
それだけは少し寂しい
ラララ 鼻歌 空にとけた