町田kkkk

可能性の奴隷

なんでもすぐに溶けていくの

頭がいいから、なんでもすぐに解けていくの

仕事中、なんとなく隣の席の後輩に「なんで入出口じゃなくて、出入口なんだろうね」と聞いたら、

すぐにGoogleで調べ出して、「建物から出てからじゃなきゃ、入れないじゃないですか、呼吸も生まれた時に息を吐いてから吸うんですよ」とネットで仕入れた知識を、仕入れから5秒後に提供されたけれど、1mmも理解できなかった。新鮮だったらなんでもいいって訳じゃない

どう考えても家に入らなきゃ出れないし、息は吸わなきゃ吐けないだろ

馬鹿じゃねーのか、ネットの知識を鵜呑みにしやがって、と思ったけれど、飲みに誘う度、嫌な顔をせず毎回付き合ってくれる好青年なので「そうだね、調べてくれてありがとう」と言う

俺の笑顔はいつもマカロンみたいに嘘くさい

「突発的に飲みに行って奥さんに怒られないの?」と聞いて「そんなの無視っすよ」と満面の笑みで答える彼の笑顔からは程遠い

俺はマカロンを嘘の塊だと思っている

 

なんとなくAmazonプライムで観たインターステラーという映画が本当に面白くて、今も頭から離れない。重力の影響で時間の進み方が極端に遅い星にアクシデントで数十分滞在してしまい、なんとか宇宙船に戻ると、地球に居る子供から何十年分のビデオレターが届いていて、それを喪失感と共に見るというシーンがあって、それが特に胸に刺さった

 

子供が産まれると、あらゆる可能性が怖い

交通事故に遭遇する可能性

通り魔に遭遇する可能性

飛行機が墜落する可能性

完治できない病気にかかる可能性

だから、人は神に縋るんだね、この歳になってようやく信仰が存在する理由を知る

 

今年の中秋の名月は今日だったらしい

その時は全然気づいていなかったけれど、確かに疲れた体で仕事からの帰り道に見た今夜の月は、何かが体に染み入るように綺麗だった。cure556的な何かが体に注入されるのを仄かに感じていた

 

娘が最近、指の感覚の発達が楽しいのか、お出かけの度に玄関で俺のニューバランスのスニーカーの靴紐をほどいてしまう

俺は、そんな些細な成長に気づく度、心から嬉しくなって、ついニヤニヤしてしまう。俺は娘の成長を数年どころか1秒たりとも逃したくない

毎回靴紐をあんなに固く結び直しているのに、どうしていつもそんな簡単に解けてしまうの