町田kkkk

可能性の奴隷

ずっとあなたが好きだった

一生、頭から離れない思い出が人生にあったなら
一生忘れまいと誓った出来事があったのなら
それだけで幸せなのかもしれない
不安のない人生なんかよりもずっとさ


ガリバー痛に苦しむ日常で構わない
思い出酒だけが俺を酔わすと歌ったバンドもいた
標題のドラマを僕は見たことがない
だけどそのタイトルが死ぬ程好きだよ


一年しか経ってないけれど
もう僕は東京から出て行きます。転勤で


それを初めて上司から聞いた時
真っ先に思い浮かんだのは君だったりするよ


別に頻繁にあってるわけでもないのにさ
こっちで何回かあっただけなのにさ


人と人の繋がりは何でできているのだろう
物理的距離?
会う回数?
共通の話題?
確固たる約束?現在の環境?
僕は、純粋に君に電車で会えなくなることが悲しい
こんな近未来な世界でこんな原始的な別れが悲しい
可能性すらなくなることが悲しい
そんなしょうもないことが悲しい


本当ならば
あらゆる言葉を用いてこの感情を描写して、切り取って
伝えたいのにさあ
いつの間にかこの十年で僕の文章能力や表現力はなくなってしまった


それでも忘れられない
薬を飲む僕を見て部屋で泣いていた姿
アパートへ続く道
一緒に乗った観覧車
窓から抜け出してきた姿
深夜の公園で野良猫に餌をあげたこと
向日葵畑
もっともっともっと


「君が愛したものたちだよ」


久振りに聴いた銀杏BOYZは
あなたがこの世界で一緒に生きてくれるのなら死んでも構わないと歌っていた

例え一緒じゃなくてもこの世界で生きてくれるなら僕は死なずに生きていける
心からそう思う


痴呆になったって忘れない
ずっとあなたがすきだった