町田kkkk

可能性の奴隷

call ME

東京から北海道に戻ってからというもの、仕事と新しい住処の整理に忙殺されて、東京出発前のあの胸の痛みが随分と和らいだ


それは決して温度が冷めたなどというものではなく、強固に瞬間冷凍されたという感じに近いのだろう

取り出すといつでもあの時のように胸の痛みが彩度もそのままに蘇ってくる

だけど徐々にその冷凍庫に鍵がかけられていく

それがいいのか悪いのか僕の感情では分からない

そっちの方が僕以外は良いのだろうと思う

それならば今はそういうことにして
感情を騙して
穏やかに生きていこう


こんな風にみんな
生きているのだろうか
人混みを歩く時ふと思う
こいつら全員に人生があり
感情があり
忘れられない思い出があり
やり切れないものを抱えて生きているのだろうか
僕のこのぐちゃぐちゃしたものなど
誰もが抱えているようなものなんだろうか
みんな、すげーなあ

日差しの強さだとか
街から流れる音楽だとか
花の色だとか匂いとか
歩いている道端のふとしたきっかけで
勝手に解凍されては泣いてしまいそうなのに
みんなはそんなこと顔にも出さず歩いている

僕もいずれ上手に
真面目そうな顔で
春の晴れた歩道を歩けるだろうか
にやけてしまわないだろうか




これから先、君はどんな人生を歩むのだろうか




毎日毎日毎日毎日毎日毎日
忙しくて死にそうな日々の間隙で思う