町田kkkk

可能性の奴隷

そうやって何かを確かめ、疑い、焼き付け、忘れたふりをし、思い出し、忘れる

貪欲な性格で生まれた
全部を思い通りにしたくて仕方なく生きてきた
好きな物を選別せずに全部好きだと言いたい
延岡駅のしんとした懐かしい風景も
金色に染まったひまわり畑も
全部好きだ


昨日相思相愛という曲を聴いた
この雪まみれの景色によく似合っていると思う
yukiだけに、とか言ってみたい
そして言ってしまう程単純で貪欲だった


昨日の帰路の雪景色が綺麗だったよ
税金丸出しのしょぼいイルミネーションも輝いていて
街灯のオレンジ色の間接照明も
パーキングの緑色LEDの「P」の明かりも
歩道に散りばめられてキラキラ光るダイヤモンドも
忌々しく濡れていく革靴も
綺麗で
相思相愛の理想形を
その渦中を歩きながら探す


僕はとっくに見つけてるんだけどね
この瞼の裏側に
探すような振りして、ただ思い出すだけ
楽勝だよね
死ぬ寸前だって簡単に再生できそうだ


貪欲に生まれ、故に苦悩する

故に君の勝利だ


これは合法なんだろうかといつも不思議に思うiPhoneの動画ダウンロードアプリで
相思相愛をリピートし続ける
それはどっかのライブ映像で
歌の間奏でyukiが放つ
「相思相愛とは!あの娘が!誰かに!彼女に!君に!あなたに!必要とされて!必要として!ここに居るってことなんだ!」って台詞が
無性に好きなんだよ
琴線がほつれていく
狂いそうなほど胸に響く



理性じゃ抑えられない
貪欲さで生きてきた
だからこそ手に入れたものが
全部輝いて見える
昨日の歩道よりも眩しく
直視できない
そして、これからもそうなんだろう


必要だと言って欲しい
願いながら溶けゆく雪で濡れる