町田kkkk

可能性の奴隷

ずっと自分が好きだった

20代前半の頃にどんな音楽を聴いていたか一切思い出せない
というか、睡眠薬をラムネみたいにボリボリ噛み砕き
アルコールで飲み込んでいた時期の記憶がほとんどない
安いワインを飲んだり地面に落として瓶を割ったりしていた事は覚えている
スネオヘアーと第九ばかり聴いていた気がしないでもない
mixiばっかりやっていた
唇の端が切れていてうんざりしていた
混乱して未熟


久しぶりに見た旭川の光景は率直に綺麗だなと思う
大雪山を背に畑とも田んぼとも不明な広大な土地の残雪は神々しくて
静かさが鳴り響く
低音が溜まって行く
眠気が心地良い


銀杏が見たいと春になったばかりなのに想う
銀杏並木が綺麗だからという理由で大学を選び五年も通った僕だ
今も網膜に焼き付いて離れない
吹雪のように落下するそれが
葉の落ちる光景に速度を思案したのはきっと
僕の方が先だよ
『勘違いなんだ まるで』


気遣いなんて未だに出来ずにもごもごしている
気付かなきゃ良かった事に気づいてしまった過去に銃口を向けに
今僕はこれからタイムマシンに乗る
死んでしまえ
そう、フラッシュバック


言いたい事なんてきっともうない
随分前に出し尽くした
だけど読んでいて胸に響くものなんてもう一切ないから
なんとなくこうしている
ゴミをポストに投函しよう
送り先は6年前のあの日
ゴミを公園に不法投棄しよう
置き場所は4年前のあの場所
そう、フラッシュバック
ずっと自分が好きだった