町田kkkk

可能性の奴隷

うまくいかない現実の非情さで僕はもういくつもの雲の形状を忘れた

何かを可能にしてくれるのは、いつも自然な時間の流れ
それを妨げるのは、無駄に身構える自分のプライドと意思とイノシシ
イノシシに衝突されたら僕なんかは全身打撲で死ぬのだろうか
なかなか清々しい死に方かもねそれって
もっとスマートに!
もっとナチュラルに!
もっと軽やかに!
攻撃を攻撃として受け止めない強靭さを!
批判も攻撃もイノシシも受け流す狂人さを!


なんて事を毎日ふらふら考えながら
妻のご飯を美味しいなあ、けど化学調味料を使われるの嫌だなとパクパク食べていたら
既に東京へ越してきてから4ヶ月も経過していた
びっくりしてクーラーを23℃に設定してしまう
恐ろしい事にあと1年と8ヶ月でまたど田舎へ送還されるらしい
なんだか執行猶予の逆みたい


この4ヶ月で何をしたかと振り返ると
ディズニーランドにいってびしょびしょになったり
スカイツリーに登って高いところはやっぱり怖いなあと思ったり
IKEAで買ってきた家具の組み立てに発狂しかけたりしていた
いくばくかの懐かしい人や友人にも会った
やっぱり気の置けない好きな人と酒を飲み交わすのは極上だ
そんな近況だ


僕はそんな感じだよ
そんで君らはどうなんだろう
前も書いたけれど
最近疎遠になってしまったみんなはどうしているんだろうと最近よく思う
死期でも近いのだろうか
へろへろに酔った夜なんか特にそう思う
みんな元気にしているのだろうか
もはやお互い離れてから歩んだ道があるから
たとえそれが大きな逸れ方ではないにしろ
微妙な軋轢が生まれていて
きっと今話してもぎこちないんだろう
だから突然メールなんかして久しぶり〜!元気!?なんて絶対言ったりしないけれど
でも何かきっかけでもあれば、あわよくばなんて心チラ見して
例えば君の町がイノシシに襲われて明朝のニュースになればいい
そうしたら大丈夫?なんて僕が聞いて、軽やかにかわしたよ、って君が返せば最高じゃないか


僕は今一人、記憶の中の君と酒を飲み交わす
もう戻れない時間の不可逆性の非情さでいくつもの雲の形状を忘れた
今日中央線の東京行きの特快でみた雨雲の名前はなんだっけ
君の名前はなんだっけ
忘れた