町田kkkk

可能性の奴隷

ヒーローと筋肉痛と夏は遅れてやってくる

今大量の花粉と
海沿いの湿り気と
植物の少し苦い匂いを含んで
露になっている二の腕を撫でる風が夏


今週末のデートはどこに行こうかと
パソコンとUSBケーブルで繋がっているマウスを
阿呆みたいに上下させてじゃらん的ななにかを探している
俺に行きたい所なんて一箇所もなく
できれば家に篭って来月行く203高地の予習のため
坂の上の雲をみたり、203高地に関わる本を読んでいたいと心から願う
開けっ放しの窓の外でカエルの鳴き声が煩わしい
ああ、今週末ドライブかなんかお茶を濁したようなデートに行くあの娘は
俺がこんな訳の分からない文章をインターネット上で晒しているなど知っているのだろうか
暗号より芸術センスが下劣な呟きをネット上で吐き出しているなど知っているだろうか
俺はそんな俺を一番好きになってほしいのだけれどね
好きになってくれたら衝突みたいな速さで恋に落ちるんだけどね


きっと君は生涯知ることもない


君を決定的に今一歩好きになれない理由がそこにあったりもするよ
そんなんだから俺は次のデートコース探しよりも
こんなローマ字を打ち込む作業にカロリーを消費している
覚束ないね
今、君に見て欲しい
今、君に分かって欲しい
今、君に許容して欲しい
俺はこんなどうしようもない奴だよ
こんな事に視神経を疲労させているよ


安易にリフレインする思い出の季節も
ヘッドフォンから流れる曲のモチーフも
なかなか暮れない陽に困惑する感触も夏だ
今週末一体どこにいこう