町田kkkk

可能性の奴隷

紙飛行機の匂い

なけなしの連休を使って旭川に来た
今まで食べた中で一番美味しいカレーと
塩ホルモンを巡り合えて満足だった
何年か振りに見た青い池はあまり青くはなかった
低空を飛ぶ飛行機を見つけて
飛行機の匂いがする、と嘘をついたら
妻がそんな匂いしないじゃんと
スンスン鼻を鳴らしたのが面白くて
えー、するじゃん、ほらと嘘を重ねた
また夏にでも青い池の青さを確認しに行きたい


七輪の上でホルモンをひっくり返した瞬間
線香花火の匂いがした
その香りが素敵で
僕は何度もホルモンを焼くけれど
二度とその匂いは現れなかった


青い池の途中で寄ったビルケの森の
小鳥のチュンチュン感が甘美で
こんな朝を迎えたいと西日を浴びながら思う
網に張り付いた生ラムをひっくり返し
俺は仕事の何が嫌って
好きな時間に起きられないことが苦痛だ
好きな時間に起きられる仕事がしたいと言ったら
教祖にでもなればいいんじゃない?と妻が返す
1mmもいいアイデアだなんて思わなかった